銀行印は「横彫り」が良いというのは本当ですか
2018-02-09追加
いわゆる開運印鑑ネットシップの中には、銀行印に「横彫り」を推奨する店があるようです。
しかしその理由は、
「縦に彫るとお金が ”上から下へと” 流れ落ちる」
という、思わず笑ってしまうような「こじつけ」がほとんどです。
そんなことを言うならこれはどうなりますか?
「お金が ”右から左へと”、羽が生えたように飛んでいく」
こんなフレーズもよく耳にしますよね。
上から下でも、右から左でもとお金が消えていくことには変わりはなく、これひとつとっても開運印鑑ネットショップの言うことはあてになりません。
それ以前に、そもそも印鑑には「横彫り」など存在しないということは、以前このブログでも詳しくご説明しましたので、ぜひご参照下さい。
以上を踏まえて、改めて、
銀行印には<上→下>、<右→左>のどちらの文字配列が好ましいか、というご質問にお答えます。
とはいえ絶対的な指針というものはありません。
要はどちらでもよく、お好みの文字配列をお選びいただいて何ら問題ございません。
ただし「より良いバランスの美しい印鑑」のために、文字配列を選ぶ際の目安となるポイントをご説明申し上げます。
上の例は「田代」という文字をそれぞれ<上→下>と<右→左>に配列させた例です。
<上→下>は、比較的バランス良く収まっているのに対し、
<右→左>は、文字が間延びしているように見えませんか?
「田」「代」いずれも、横画(横線)数が少ない漢字です。
それを<右→左>に配列するために縦長に伸ばすと、少ない横画の線と線の間に広いスペースができますね。
この余白が間延びしているように見える要因となっているのです。
さて、今度は逆の例です。
「藤」も「澤」も横画が多い漢字です。
これを<上→下>に配列すると、文字が横長に伸ばされます。
そうなると各横線間のスペースがほとんどなくなり、まるでペシャンコに潰れたかのような窮屈な印象となります。
逆に<右→左>に並べるとどうでしょう?
横線と横線の間に適度な余白が生まれ、文字が伸びやかに見えますね。
このように、文字の配列を考慮する上で大切なのは、文字の横画数を勘案するということです。
おおよその目安として、
■横画が6本以上の文字がない:<上→下>
■横画が6本以上の文字がある:<右→左>
以上の通りお勧めいたします。
とはいえ、それでもどちらの文字配列にするか悩まれる方もいるでしょう。
そのような場合は、ご注文フォームの【様式】欄で<お任せ>をお選びいただければ、彫刻する文字に合った、バランスのとれた文字配列を決定します。