ケースを開けて感嘆のため息
神奈川県横浜市 S様(2016年2月ご注文)
このたび、日常使用する目的で印鑑の製作をお願いしました。
名字が一文字なので、なかなか満足できる印影に出会えず、祖母が創ってくれた実印はファーストネーム(二文字)だったほどでした。
そんな時、ネットを検索していて出会ったのが、小林 董洋先生による「星印体」という書体でした。
これには驚きました。
私は「乙女座」なのですが、少し複雑なこの星座を一文字に融合させることが果たして可能なのか、そんな興味が湧き、お願いすることにしました。
印影のデザインを確認して、変更の相談を受けて頂けるのは素晴らしいと思いました。
最初にデザインしていただいた印影は複雑な細い線が流れるようで、その中に星座が組み込まれているものでした。
印象としては「線が細すぎないか、漢字として読めるか」と思い、第二案を提案してみたのですが、素人の思いつきはやはりよろしくなく、最初のオリジナルデザインが良い、という結論になり、製作をお願いしました。
印材も悩みましたが、せっかくですので珍しいマンモスの上質なものでお願いしました。
ケースは毎日持ち歩いている印傳の携帯ケースを使いたかったので、特に選びませんでした。
完成品が届き、ケースを開けて感嘆のため息が出てしまいました。
マンモスの牙は、こんなにも深く美しい白色だったのですね。
持ってみても冷たすぎず、軽すぎず。
やはりプラスチックや石材とは格が違います。
印面の仕上がりも素晴らしく、緻密で丁寧な職人技を見せて頂きました。
拡大鏡でずっと鑑賞していたほどです。
最初の押印は手帳に。
繊細で上品な印影は個性を主張しすぎず、でも世界無二の顔をしていました。
気に入りました。
愛用の印傳ケースにもぴったりでした。
携帯ケースは開ける時に印鑑を落下させる可能性があるので、その日のうちに革細工でインナーケースも制作してみました。
すばらしい作品をありがとうございました。
毎日持ち歩きます。
大切に使います。