印章(印鑑)は基本的には漢字やかなの「漢文・和文」で彫刻されます。
その漢文・和文の文字は元来
■上から下へ
■右列から左列へ
と配列されてきました。
B A @
↓ ↓ ↓
例えば「新聞」「多くの雑誌・書籍」などがそれであります。
逆に、この文章のような
「日本語における左から右への横書き」は
太平洋戦争敗戦後に西欧の記法に倣う形で一般化したもので
それ以前、わが国では「上から下へ、右列から左列へ」の文字配列が圧倒的主流でした。
印鑑における文字配列も同様で
「上から下へ、右列から左列へ」という文字のならびが常に正しい配列です。
そのうち、彫刻する文字をすべて縦1列に収めるタイプは
「1列配字」となります
(例:高橋)
@
↓
高
橋
それ対して、文字を各列1文字として、文字数に応じて2列以上に配列するタイプも
「横書き」ではなく「1行に1文字だけを置く縦書き」となります。
その場合、右の列から左の列へと読み進めます。
(例:高橋)
A @
↓ ↓
橋 高
これは新聞や・文庫本など書籍における和文本来の文字配列と同様で、
文字はあくまでも「上から下へ、右列から左列へと配列させていますが
各列に1文字しかないので「右から左への横書き」と誤解されています。
確かに便宜上「横配列・横書き」と称することもありますが、
決して文字自体も「右から左」に書いているわけではないので
「横書き」という呼称は間違っています。
さらに例を挙げると、古い商店などで
「高橋商店」と書かれて(彫られて)いる看板を目にすることもありますが、
これも、文字を右から左に読むのではく、
C B A @
↓ ↓ ↓ ↓
店 商 橋 高
あくまでも「右の列から左の列」に沿って、各列1文字ずつを読むべきものです。